室内に植物を配置して人間の快適性を向上をさせることは、グリーンアメニティと呼ばれている。
グリーンアメニティの園芸療法への展開として、
植物の世話をすることによって生じる愛着を、
グリーンアメニティ的手法を用いて解析した。
また、通常野菜工場では、CO2をボンベで供給し野菜の生長を促しています。オフィスの中で人のCO2を植物に与えることで植物は、元気になり人もCO2が減り元気になります。
また植物は揮発性化学物質を吸収分解しますし、蒸留水のような蒸散水分を発揮させますので、部屋の空気の質がよくなるわけです。
野菜・ハーブなどの栽培メンテナンスを従業員が行うことによって、メンタルヘルスケアになります。
メンタルヘルスケアには、園芸療法的観点であり、ハーブを煎じて飲むことによってリラックス効果もあります。
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実験は、2001年〜2002年に行った。被験者(学生12名A〜L)に植物を渡し、自宅で56日間世話を
してもらい、植物への愛着の度合いの変化を測定、解析した。
また被験者が自分が世話をした場合と、その他の人(筆者)が世話をした場合による愛着の差について
も解析した。植物は、ゴールドクレスト、シクラメン、柱サボテンの3種類を用いた。
愛着度の変化の測定は、56日の間に計4回、植物を被験者の前に置いて脳波測定とSD法(感性アンケー
トに使われる意味徴分法)による心理評定を行った。
なお、56日目には、世話をした植物が破壊(ゴールドクレストの場合は茎を半分切り、シクラメンの
場合は花を半分切った)される前と後で脳波測定と心理評定を行い、世話をした植物が破壊されたことに
よる心理的変化も愛着度を解析した。
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SD法による心理評定の結果の一例を図3〜5に示す。
図3の場合、第1因子(くやしくない、心が痛くない、腹立たしい、せつなくない)は筆者が世話をした破壊状態より評価が低いが、第2因子(親近感のある、親しみやすい)は高く評価されたままで、破壊されたにもかかわらず、世話をした日数が長くなるに従って、愛着度が高くなっていることが分かる。図5の場合、シクラメンは生育管理が難しく、枯れてしまった被験者が多かった。そのため、56日目については、第1因子の評価は低くなったが、第2因子は高く評価されたままであった。以上のことから、園芸療法の心理的効果が示されたと考えられる。
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